「うちの会社は対象になるのか」「どこに確認すればいいのか」――通年雇用助成金を調べ始めると、最初にぶつかるのがこの二つの疑問です。制度の名前は知っていても、対象地域や業種の縛りがあって、自分の事業所に当てはまるかどうかが分からない、という声をよく聞きます。
射水市や新湊エリアの地域情報を発信するメディア『いみず富山みつけ』のヨースケです。わたしは建設会社で現場管理をしていますが、現場で一緒に働く季節の職人さんの話や、冬季の雇用についての話が出たとき、この制度のことが気になってひと通り調べてみました。
この記事では、制度の基本的な仕組みから、射水市の事業者が相談しやすい窓口3か所の紹介まで、順を追って整理しています。まず「対象になるかどうか」を確かめてから、「窓口に相談する」という流れで読み進めると動きやすいです。
通年雇用助成金とはどんな制度か
通年雇用助成金は、積雪や寒冷の影響が強い地域で、冬季に事業を縮小せざるを得ない業種の事業主が、季節労働者を通年で継続雇用した場合に、賃金の一部を助成する厚生労働省の制度です。雇用保険法第62条にもとづいて運営されており、事業主が負担する雇用保険料が財源になっています。
1人あたり最大71万円、最大3年間で合計約180万円程度の助成を受けられる場合があります。ただし支給額は取り組みの内容や申請回数によって変わり、支給されるかどうかは要件の充足確認が前提です。まず自社の状況と照らし合わせることが出発点になります。
富山県と射水市は対象地域に入っているか
通年雇用助成金の対象地域は、北海道・青森・岩手・秋田の4道県が全市町村対象で、それ以外の宮城・山形・福島・新潟・富山・石川・福井・長野・岐阜の9県については「一部の市町村」が対象になります。
富山県は一部の市町村のみが指定されています。射水市が指定地域に含まれるかどうかは、厚生労働省告示で定められた指定範囲で確認が必要。自社の事業所が指定地域に入っているかは、管轄のハローワークに直接確認するのが確実です。
申請できる事業者の業種と条件
通年雇用助成金を利用できる事業者は大きく二つに分かれます。一つは「指定業種で冬季に事業縮小を余儀なくされる事業主」、もう一つは「指定業種以外の業種で、季節労働者をトライアル雇用して常用化を目指す事業主」です。
指定業種として定められているのは、林業・建設業・水産食料品製造業・農業(畜産を除く)・一般製材業・セメント製品製造業などです。建設業は対象になりますが、事務員や設計士など季節の影響を直接受けない業務の従事者は対象外になります。現場監督や現場事務員は対象に含まれる場合があります。
対象になる労働者の雇用形態
対象となるのは「季節労働者」として雇用されている人です。具体的には、当該年度の9月16日以前から継続雇用されており、翌年1月31日時点で雇用保険の特例一時金(短期雇用特例被保険者の失業給付)の受給資格を得ることが見込まれる人が対象です。
ただし以下の人は対象外です。役員や部課長などの管理監督者、事務や設計など季節影響を受けない業務の従事者、そして過去2年間の就労履歴から出稼ぎ就労が常態化していると判断された人。雇用形態の確認は、申請前に一度整理しておく価値があります。

誰が対象かは、業種と雇用形態の両方を見ないと判断できないですよ
申請前に確認しておきたい七つの要件
先に結論を言うと、申請する前に確認が必要な要件は七つあります。一つでも欠けると申請が通らないため、いきなり書類を揃えるより先に、リストで現状を照らし合わせておくほうが動きやすいです。
- 事業所が指定地域に所在している
- 指定業種に該当する事業を行っている
- 冬季に事業規模の縮小を余儀なくされている
- 対象労働者を冬季も継続雇用する見込みがある
- 雇用保険の適用事業主である
- 労働者名簿・賃金台帳・出勤簿を整備・保管できる
- 対象期間の賃金を支払期日までに支払っている
個人事業主でも、雇用保険の適用事業所として要件を満たしていれば申請できます。法人格の有無は問われません。
取り組み内容によって変わる助成の種類
通年雇用助成金には七つの助成区分があり、「冬季もどのように雇用を継続するか」という取り組み内容によって区分が異なります。単純に助成金が出るというより、どのやり方で継続雇用を実現するかを先に決め、その区分で申請する流れです。
- 事業所内就業
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同じ事業所で冬季も継続して就業させる。最も利用件数が多い区分。
- 事業所外就業
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配置転換・派遣・出向などで他の事業所に就業させて継続雇用する。
- 休業助成
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継続雇用しつつ一時的に休業させ、休業手当を支払う場合の助成。3回中2回まで選択可。
- 業務転換助成
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季節的業務以外の業務へ転換して継続雇用する。1人につき1回限り。
- 季節トライアル雇用助成
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指定業種以外の事業主が季節労働者をトライアル雇用し、常用雇用に移行した場合の助成。
休業助成と季節トライアル雇用助成は現時点(令和8年4月)で令和10年までの暫定措置です。制度が続くかどうかは毎年確認が必要な点。申請を検討するなら、今の時点での最新情報を公式で確かめておくと安心です。
申請から支給までの大まかな流れ
申請は「事前の届出」と「事後の支給申請」の2段階で進みます。書類を1回提出して終わりではなく、時期をずらして2回手続きが必要です。ここを先に知っておくと、スケジュール管理が楽になります。
管轄のハローワークに通年雇用届と対象労働者申告書などを提出します。
対象期間終了後、支給申請書・出勤簿・賃金台帳などを提出します。
労働局が審査を行い、申請から概ね3~6か月で支給決定の通知が届きます。
区分によって提出時期は異なります。たとえば業務転換助成は「転換開始日から1か月以内」に届出が必要で、季節トライアル雇用助成は事前提出が不要です。自分が選ぶ区分のスケジュールを個別に確認しておくことが大切です。
射水市で相談できる窓口・機関3か所
通年雇用助成金を調べ始めたとき、わたしが最初に迷ったのは「どこに相談すればいいのか」でした。ハローワークに行けばいいのか、市の窓口なのか、社労士に依頼するのか、選択肢がいくつかあって、最初は手が止まってしまったんですよね。射水市の事業者が動きやすい相談先を3か所まとめます。
| 機関名 | 特徴・対応内容 | 所在地・連絡先 |
|---|---|---|
| ワークセンター射水 | 射水市とハローワーク高岡が運営する公的職業紹介機関。雇用相談・求人紹介が無料。雇用保険の手続きはハローワーク高岡へ引き継いでもらえる | 射水市布目1(市役所布目庁舎別館1階)TEL:0766-82-1911 平日9:30~17:00 |
| 射水市商工会 | 市内事業者向けに金融・税務・労務の相談を受け付ける。助成金の相談や補助金申請のサポートも対応。新湊地区は射水商工会議所が窓口 | 射水市戸破4200番地11(救急薬品市民交流プラザ2階)TEL:0766-55-0072 平日8:30~17:15 |
| 畠山労務管理事務所 | 高岡市に拠点を置く社会保険労務士法人。射水市を対応地域に含み、助成金申請代行・就業規則作成・労務相談を一括依頼できる。初回相談無料 | 高岡市内免2-6-21 TEL:記載なし(公式サイトから問い合わせ可)平日8:30~17:30 |
「まず制度の対象かどうかを知りたい」という段階ならワークセンター射水か商工会が相談しやすいです。書類準備や申請手続きを任せたい場合は、社労士事務所への相談が現実的な選択肢になります。
よくある失敗と見落としやすい注意点
迷いやすいのが、申請対象労働者の「算定式」です。申請した人数がそのまま支給対象になるとは限らず、常用労働者数の増減を確認するための計算式に当てはめる必要があります。長く制度を利用している事業所では、退職者が出ると対象人数が減る場合があります。
もう一つ気をつけたいのが、継続雇用予定期限(支給を受けた年度の翌年度12月15日)前に対象労働者が離職した場合の返還リスク。天災や本人都合退職は免除になる場合がありますが、原則として支給済みの助成金を返還しなければなりません。採用時点での書面管理と退職リスクの把握が大事です。
申請書類の準備で押さえたいこと
申請書類は「届出時に必要なもの」と「支給申請時に追加で必要なもの」に分かれます。どちらも漏れると補正が発生して審査が遅れるので、事前にリストを作っておくと動きやすいです。
届出時の主な書類は、通年雇用届・対象労働者申告書・賃金台帳・出勤簿・労働者名簿の写しなど。建設業の場合は建設業許可証の写しも必要です。書式は厚生労働省のページからダウンロードできますが、令和6年4月1日以降の様式を使うことを忘れずに確認してください。
制度改正で変わりやすい点をどう見るか
通年雇用助成金は毎年度、厚生労働省の支給要領の見直しが行われます。助成区分の中には令和10年度までの暫定措置があるものもあり、延長されない場合は対象から外れます。制度の名称も以前は「通年雇用奨励金」と呼ばれていたので、古い資料と照合するときは注意が必要です。
支給額や要件が変わることもあります。申請を考えるときは、必ずその年度の最新の支給要領で確認するのが基本。古いパンフレットをそのまま使うと、数字や要件がずれてしまうことがあります。
制度が向かないケースと使う前の見極め
射水市が指定地域に含まれていない場合、または事業の業種が指定業種に該当しない場合は、通常の助成区分(①〜⑥)では申請できません。業種や地域の確認が最初のステップです。
また、対象労働者が管理職や事務職だけの場合、または継続雇用予定期限まで雇用を維持できるか不透明な場合は、返還リスクも含めて慎重に考えたほうがいいです。制度の仕組みをひと通り把握してから、自社の状況と照らし合わせてみてください。
迷っているなら、まず窓口に電話してみるといい
わたしも最初は「そもそも対象になるのか」だけが知りたくて調べ始めました。制度の全体像を把握しようとすると、区分や要件が多くて途中で止まってしまうこともあります。今日はじめの一歩として動けることがあるとしたら、「指定地域に入っているか」「指定業種に入っているか」の二点だけをメモして、ワークセンター射水(TEL:0766-82-1911)か商工会に電話してみることです。
「対象になります」という返事をもらってから書類を揃え始めるほうが、余計な動きが減って気持ちも楽です。わたし自身、制度を調べるときは「まず対象かどうかを先に確かめる」という順番が自分には合っていると感じています。
書類準備や申請の代行まで頼みたい場合は、射水市を対応地域にしている社労士事務所に相談してみてくださいね。仕事帰りにでも、まず一本の電話から始めてみると、意外と話が動き始めることがあります。













