建物の新築や改修を考えはじめると、補助制度について調べる機会が増えますよね。ZEB補助金もそのひとつですが、国・県・市の制度が入り混じって、どこを見ればいいか分からなくなりがちです。
射水市・新湊エリアの情報を届ける地域メディア『いみず富山みつけ』のエリア担当ライター、ヨースケです。わたしは建設会社で現場管理の仕事をしているので、建物の整備計画や設備更新の話が身近にあります。今回は、ZEB補助金を調べている事業者のみなさんに向けて、制度の基本と確認のしかたを整理します。
ZEBとは何か、どんな建物が対象になりやすいか、補助の流れと注意点、そして射水市内で実際に相談や支援が受けられる窓口・サービス3つを順番に紹介します。
ZEBとはどんな考え方の建物か
ZEB(ゼブ)は「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル」の略で、建物内で使うエネルギーと、太陽光などの再生可能エネルギーで生み出すエネルギーを差し引きしてゼロにすることを目指す考え方です。
快適な室内環境を保ちながら消費エネルギーをゼロに近づけるのが前提で、単純に設備を省くのとは違います。まず省エネで消費を減らし、その上で再エネで賄う、という順番が基本的な流れ。
ZEBには四つの段階がある
ZEBは一種類ではなく、達成度に応じて四段階に区分されています。補助制度の対象になるかどうかも、この区分によって変わるので先に確認しておくと楽です。
- ZEB Oriented(志向型)
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省エネのみで基準一次エネルギー消費量を30%以上削減した建物。
- ZEB Ready(準備型)
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再エネを除く省エネのみで50%以上削減した建物。
- Nearly ZEB(ニアリーゼブ)
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省エネ50%削減に加え、再エネを含めて75%以上100%未満削減した建物。
- ZEB(ゼブ)
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省エネと再エネを合わせてエネルギー消費量を100%以上削減した建物。
補助制度によって、どの段階まで対象になるかが異なります。ZEB Orientedは大規模な建物に限定されることが多く、中小規模の建物で主に求められるのはZEB ReadyやNearly ZEB以上の水準です。
対象になりやすい建物の傾向
ZEB補助制度の対象は、主に事務所、店舗、工場、学校、病院などの非住宅建築物です。住宅(ZEH)とは別の制度で、一般的に事業用の建物が対象になります。
延床面積の規模によって補助率や対象となる区分が異なることも多く、延床面積2,000㎡未満の小規模建物は比較的幅広い補助メニューの対象になりやすい傾向があります。射水市内の中小事業者が持つ事業所や施設のサイズ感と合いやすい範囲です。
新築と既存改修で何が変わるか
ZEB補助制度では、新築と既存建物の改修(既築)で補助率や適用条件が異なります。一般的に、新築の方が省エネ性能の確保がしやすいため、ZEB達成のハードルが相対的に低くなりがちです。
既存建物の改修でZEB水準を達成するには、断熱性能の改善や設備全体の更新が必要になる場合があります。改修か新築かで計画の前提が変わるので、どちらの方向で考えているかを先に整理しておくと、確認先も絞りやすくなります。
補助制度を使うときの大まかな流れ
ZEB補助金は、工事や設備発注の前に交付申請が必要なのが一般的です。着工してから申請しても対象外になるケースがあるので、ここは早めに確認しておきたいところ。
国(経済産業省・環境省)や自治体の公式サイトで最新の公募状況を確認する。
建物の規模・用途・省エネ基準達成の見込みを、設計者や省エネ専門家と確認する。
着工・発注前に申請書類を整えて交付申請を行う。省エネ計算書や図面類が必要になる。
交付決定後に着工・発注を進める。
完了後に実績報告書を提出し、審査を経て補助金が交付される。
射水市で相談できる窓口・サービス3つ
「どの補助制度が自分の計画に合うか分からない」という段階で動けるのが、地域の相談窓口です。わたしも建物関係の情報を調べるとき、まず場所と窓口を確認してから動くようにしています。
- ① Switch IMIZU(射水市ビジネス支援センター)
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アル・プラザ小杉2階にある市内事業者向けの相談・申請サポート窓口。カーボンニュートラル推進補助金の申請書類作成も一緒に進められる。相談料・利用料ともに無料。
- ② 射水市商工企業立地課
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カーボンニュートラル推進事業補助金など市の制度の問い合わせ窓口。補助率・対象設備の要件など制度の仕組みの確認に向いている。Switch IMIZU内(アル・プラザ小杉2階)に入っている。
- ③ 株式会社創建築事務所(高岡市)
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富山県内に拠点を持つZEBプランナー登録の設計事務所。ZEB化に向けた設計提案と補助金申請サポートを行っている。ZEB補助制度の申請にはZEBプランナーの関与が要件になる場合がある。
Switch IMIZUはアル・プラザ小杉の2階なので、仕事帰りに立ち寄りやすい場所にあります。平日の10時~17時が開所時間で、事前に電話予約(080-2387-6460)を入れておくとスムーズです。
創建築事務所は射水市の隣・高岡市に拠点があり(富山県高岡市野村1635-5、TEL 0766-22-8227)、県内での ZEB設計実績を持つZEBプランナー登録事務所です。ZEB補助金の申請にはZEBプランナーの関与が条件になる場合があるので、設計事務所を選ぶ際には登録の有無も確認しておきましょう。公式サイト(sou-arch.com)で詳細を確認できます。
よくある勘違いと気をつけたいこと
「省エネ設備を入れればZEB補助金が使える」と思われることがありますが、設備を入れるだけでは不十分です。建物全体で一定の省エネ基準を達成していることを証明する計算書と、それに対応した設計が前提になります。
また、補助金の公募は年度ごとに内容が変わります。昨年度の情報をそのまま今年に当てはめると、補助率や対象条件がずれている場合があるので、申請前には必ず最新の公募要領を確認することが前提になります。
補助制度が向かないケースもある
ZEB補助制度は、すべての建物や計画に合うわけではありません。たとえば、省エネ計算に対応した設計変更が難しい既存建物や、着工スケジュールが補助金の公募期間と合わない場合は、制度の活用が難しくなることがあります。
「補助金があるから採用したい」という出発点よりも、「この計画でZEB水準を達成できるか」を先に確認する方が順番として自然です。計画の方向性そのものを補助金に合わせて無理に変えると、後の管理が難しくなることもあります。

「補助金ありき」で計画を作ると、後から整合性に悩むことがあります
射水市の脱炭素施策と事業者の関わり
射水市は2023年に「ゼロカーボンシティいみず」を宣言し、2050年のカーボンニュートラル実現を目標に掲げています。市の地球温暖化対策実行計画でも、事業所のZEB化推進や省エネルギー診断の支援が施策として位置づけられています。
市内事業者向けの「カーボンニュートラル推進事業補助金」は、令和8年度(申請期間2026年5月1日~2027年1月29日)も公募中です。省エネ診断に基づく事業は補助率2/3、それ以外は1/2と、内容によって補助率が変わります。詳細は射水市商工企業立地課(0766-51-6675)に確認してみてください。
- 上限:133万3,000円(事業内容による)
- 補助率:2/3(省エネ診断あり)または1/2
- 申請期間:2026年5月1日~2027年1月29日
- 問い合わせ:Switch IMIZU(080-2387-6460)
ZEB補助金とは目的が異なりますが、設備更新を計画している場合は、市の制度との組み合わせを確認しておく価値があります。制度内容は変更になる場合があるので、申請前に公式窓口で最新の情報を確かめてください。
今日から動くための最初の一歩
制度を一度でも調べはじめると、情報量が多くて「どれが自分に関係するか」が見えにくくなることがあります。わたしも現場の仕事で似たような経験があって、最初は「使えそうな制度があるかどうかだけ確認する」という入り方が、いちばん続きやすいと感じています。
今日できる小さな一歩は、計画中の建物の「用途・延床面積・新築か改修か」をメモに書き出すことです。この三点が手元にあると、Switch IMIZUへの相談やZEBプランナーへの問い合わせがずいぶんスムーズになります。補助制度を使うかどうかの判断は、その後でも十分間に合います。
みなさんの建物整備の計画が、少し見通しのよい状態で進んでいったらうれしいです。まずはメモ一枚だけ、今週末にでも書いてみてくださいね。













